リフト装置の安全確認ポイント
送迎車に搭載されているリフトは、車椅子利用者や歩行が困難な方にとって欠かせない設備です。しかし、その安全性は日常的な点検に大きく左右されます。まず確認すべきは、リフトの動作のスムーズさです。上昇や下降時に異音や振動がないかをチェックすることは、機械の故障を早期に発見する重要なサインとなります。また、リモコンやスイッチの反応が遅れていないか、操作時に誤作動がないかも入念に確認する必要があります。
さらに、リフトには安全バーやストッパーが備わっており、車椅子がリフトから落下しないように設計されています。これらが正常に作動しているかを必ず確認し、摩耗や破損が見られる場合は速やかに修理や交換を行わなければなりません。例えるなら、エレベーターのドアセンサーが正常に働かないと重大事故につながるのと同じで、リフトの安全装置も常に万全であることが求められます。
車椅子固定装置のチェック項目
車椅子利用者の安全を守るためには、固定装置の点検が欠かせません。固定装置の基本は「4点固定方式」で、車椅子の前後を確実に固定することが推奨されています。毎日の点検では、ベルトの摩耗やほつれ、金具の錆びや変形がないかを目視で確認しましょう。特に金具部分は力が集中するため、少しの変形でも固定力が弱まり、走行中の揺れで外れるリスクが高まります。
また、固定ベルトを車椅子に装着した際にしっかりとテンションがかかっているかを手で確認することが重要です。緩みがあると、急ブレーキや急カーブで車椅子が移動してしまう危険性があります。さらに、車椅子そのもののブレーキが確実にロックされているかも同時にチェックすべきポイントです。固定装置は「安全ベルト」であり、シートベルトと同じく日常的に状態を確認することで安心を提供できます。
日常点検とスタッフ教育の重要性
送迎車の安全対策は、設備そのものだけでなく、点検体制とスタッフの意識に大きく左右されます。リフトや固定装置の点検は出発前に必ず行うべきであり、チェックリストを用意して担当者が確認・記録を残す仕組みが有効です。こうした仕組みにより、点検漏れや曖昧な判断を防ぎ、トラブルの未然防止につながります。
さらに重要なのは、送迎に関わるスタッフ全員への教育です。固定装置の正しい使い方やリフト操作の流れを理解していなければ、どんなに高性能な設備があっても安全は確保できません。例えば、新人スタッフが慣れないまま操作を行い、固定が不十分なまま出発してしまえば、利用者の命を危険にさらすことになります。そのため、定期的な研修やシミュレーション訓練を行い、緊急時に迅速な対応が取れる体制を整えることが不可欠です。
まとめ
送迎車の安全対策は、リフトと固定装置の正確な点検、そしてスタッフの確実な操作によって成り立ちます。
- リフトは動作のスムーズさや安全バーの機能を確認。
- 固定装置はベルトや金具の摩耗を点検し、しっかりテンションをかけて使用。
- スタッフ教育と日常点検の仕組み化により、人的ミスを防ぐ。