小規模デイサービスや訪問介護向け:5〜7人乗りタイプ
小規模なデイサービスや訪問介護の現場では、利用者数が一度に多くならないケースが多いため、5〜7人乗りのコンパクトな福祉車両が適しています。代表的には「トヨタ シエンタ」「ホンダ フリード」などのスモールミニバンタイプが挙げられます。
これらは車体がコンパクトで運転しやすく、狭い道路や住宅街での送迎に強みを持っています。また、車いす一基をそのまま搭載できるスロープ仕様や回転シート仕様なども豊富に用意されており、利用者の身体状況に応じた柔軟な対応が可能です。
さらに燃費性能が高く、維持コストを抑えられるのも小規模事業者にとって大きなメリットです。例えば、訪問介護のように1日に何度も走行するケースでは、低燃費性能は経営効率にも直結します。
中規模施設やデイサービス送迎向け:8〜10人乗りタイプ
利用者数がある程度まとまるデイサービスやグループホームでは、8〜10人乗りの車両が効果的です。代表的な車種には「トヨタ ハイエース」「日産 キャラバン」などのワンボックス型福祉車両があります。
これらの車両は室内空間が広く、車いすを2〜3基同時に固定できるレイアウトも可能です。加えて、利用者と職員が同時に乗車できるため、送迎効率を高められます。車内に余裕があることで乗降のサポートも行いやすく、介助者にとっても安全性が高まります。
また、送迎ルートが長距離に及ぶ場合でも、大型車両の方が安定した走行性能を発揮できるため、利用者の安心感にもつながります。定員や車いす搭載数に応じて車内レイアウトを柔軟に選べる点が、業務効率化の大きなポイントです。
大規模施設や特別養護老人ホーム向け:10人以上乗りタイプ
特養や大規模デイサービスでは、一度に多人数を送迎する必要があるため、10人以上乗車可能な大型福祉車両が求められます。具体的には「トヨタ コースター(リフト付きバス仕様)」や「日野リエッセ」などのマイクロバスタイプが主流です。
これらはリフト装置を備え、車いすを複数基同時に搭載できる構造となっており、送迎の効率性が飛躍的に向上します。また、施設と利用者の自宅間の距離が長い場合でも、一度の運行で多くの利用者を送迎できるため、ドライバーや介助者の負担軽減にも直結します。
ただし、大型車両は導入コストや維持費が高く、運転には中型〜大型免許が必要になる点がデメリットです。導入を検討する際は、利用者数や送迎頻度に加え、職員の免許状況、駐車スペースの有無なども総合的に判断する必要があります。
まとめ
- 5〜7人乗り:小規模施設や訪問介護に最適。小回りが利き燃費性能に優れる。
- 8〜10人乗り:中規模施設やデイサービスに適合。車いす複数基や職員も同乗可能。
- 10人以上乗り:大規模施設や特養向け。送迎効率が高いが、導入コストと免許要件に注意。
施設ごとの利用者数、送迎頻度、職員体制を踏まえて適切な車種を選ぶことが、利用者の快適さと運営効率の両立につながります。